2016年11月15日火曜日

昭和42年、西戸田養護学校作文集 (4)

 「西戸田の里」に掲載されています西戸田養護学校作文集の第4回目です。


みかんがり     小4 F・K

 今月の近足は、みかんがりにいった。バスに数分間のって、北古口駅でおりた。駅からあるいていくと、みかん園の入口とかいてあったのですぐわかった。
 みかんがいっぱいなっていた。ぼくたちより少し高い木で、どの木も、どの木もたくさんなっているのをみると、もう、むねがわくわくする。みかん畑を、よこぎって山おくにはいると、山の中はとてもきれいなけしきで西戸田の近足の山とは、ちがっている。
 「ここでしばらくあそんでいなさい。」と、先生がいわれた。山のむこうへいって下を見るとおおきなおかが2つもありその下の方にきれいな池も見え、むこうの山がかすんだように美しく見えます。しんこきゅうをしたり、石をなげたりしていると、「みかんを、とりにいく」と、先生がおっしゃったからみんな、ならんだ。


 青いきんかんが、すずなりになっているさくの中にはいると、もう、どれをとっていいかわからないぐらいに、おおきなみかんがすずなりになっていた。どれも、これも、とてもうれしく、手がふるえるように思えた。まだ一度もみかんがりにいったことがないからだ。1つにぎったときのうれしかったこと。ぼくらは、4つもとった。すると、先生が「先生も、とってきて」と、いわれたので、またとりにいった。あかいのにしようか、大きいのにしようか、とてもまよった。4つもとってきてから先生と、まるくなって食べたので、むねがすうっとしてうれしかった。食べおわると、おなかがいっぱいになった。
 きょうのみかんがりは、まえのえんそくよりとても楽しくよかったと思い、たのしかった1日をおもいおこしていた。
 

2016年11月1日火曜日

昭和42年、西戸田養護学校作文集 (3)

 「西戸田の里」に掲載されています西戸田養護学校作文集の第3回目です。


 「療養生活6か月」        中2  M・M

 1学期も終わろうとする7月の中頃、私は、少年保養所の門をくぐった。それからは、保養所生活と学校生活に、胸をふくらませて。
 保養所生活第1日目、何が何だかさっぱりわからず、不安のうちに過ごしたことを覚えている。日がたつにつれて、ここの生活がどういうものか、少し分かって来たが、Dクラスだったので、学校には行けなかった。せっかく学校に行けるからと聞いて入所して来たのにとよく思ったものだった。
 夏休みもすぎ、病室に、担当の先生が教えに来て下さるようになった。科目は英語と数学、すこしさびしかったが、今までの遅れをとり戻せるようでうれしかった。
 待ちに待った日が訪れた。「Cクラスですよ。」と言われた時、ほんとうにうれしかった。それと同時にたまらない不安があった。勉強のことがそのひとつ。また食堂に出るのが恥ずかしくていやだなあと思った。
 Cクラスになってから、もう3か月、療養のこともレールにのって、楽しい毎日になって来た。元気に退所して行く級友を見ていると何となくさびしくなり、家に帰れる日を心待ちしている自分に気づくことがある。
 ここ保養所の療養生活なり、学校生活の中から、後に役立つものを学びとり体得して、明日への希望を抱きながら、もう1年間がんばろうと思う。