2021年5月1日土曜日

昭和32年 保養所百景 蚊帳

  夏になると少年保養所では、各児童に個人用の蚊帳が配られました。今時、蚊帳などと云っても分からない人も多いと思いますが、6畳用 とか8畳用と云うのでしょうか、ひとつの蚊帳の中に2、3人の布団を敷く事が出来る大きな緑色の蚊帳を、自宅でも使っていた記憶があります。窓に網戸などついていなかった当時の少年保養所では、ベッド毎に1人用の白色の蚊帳を使いました。

 

 1m50cmほどの金属製のポールをベッドの四隅に取り付け、そこにすっぽりと蚊帳を掛けるのですが、小学1年生だった原田君には上まで手が届かないので、就寝前上級生が手伝って毎晩蚊帳を掛けていました。朝になると、その蚊帳をたたむのですが、ずっしりと重い感触を今でも思い出します。冬の湯たんぽと夏の蚊帳、保養所ならではの必需品でした。おかげで、少年保養所の冬が寒かったとか、蚊に刺されて困ったと云う記憶はありません。









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