2016年12月15日木曜日

昭和42年 西戸田養護学校作文集 (6) 

 「西戸田の里」に掲載されています西戸田養護学校作文集の第6回目です。



 小さく見える        小6  F・F

待ちに待った夏休み、保養所では帰宅があった。8月13日から16日までだ。
 13日の朝早くから、みんな帰るしたくをいていた。この日ばかりは、時間のたつのがおそかった。東の空には太陽が昇り、朝食のにおいがしてくるようで、なかなか起床の鐘が鳴らない。ベッドの上で、ぼくは家に帰って、初めに何をしょうかと考えた。そのうちに、ラジオの音が聞こえてきた。朝のラジオの音楽が気持ちよく、いっぱいにひびいている。
 しばらくたって、起床の鐘が聞こえてきた。ぼくは、まっ先にとびおきて服にきがえて、顔を洗った。そして、ベッドにねころんで、本を読んでいたが、時間のたつのがもどかしく、そうしている間に時間はすぎて食事もすんだ。
 ぼくは、ふとんの敷布をはずして、持ち物をまとめて、家に帰るしたくをした。一番はじめにむかえにきたのが中村君とこ。その次にきたのが井上君。その次が岩佐君とこだった。ぼくは、やっと11時ごろに、むかえにきてくれたのでホッとした。姉がきて、部屋を出た。きょうはスタミナがついている。
 ぼくは、バスの中で、家がどんなにかわっているか、いろいろと空想して、楽しみにしていたバスは、ちょっとゆれがはげしかったが、まもなく明石駅についた。それから国鉄で三の宮までいった。
 窓から見る景色もなつかしく、母の勤めている星電社にいった。母といっしょに働いているおばさんが「大きくなって。」と、いわれたので、ぼくはちょっとてれた。それから姉といっしょに三地下で、昼食をたべた。ひさしぶりに外で食べると、いきいきする。すぐバスにのって家まで帰った。
 ぼくは、帰ったとたん、家は小さいなあと思い、家のなかのようすをみまわった。うれしくていいようがない。そして最初に模型をだして修理をしました。姉はホットしたように、扇風機にあたっていました。ぼくの兄は、堺に遊びにいって、家の中は3人きりで、ちょっと淋しかった。
 しばらくテレビを見ていると、いつのまにか姉が夕食のしたくをしていた。夕食の時も、茶わんを見ると、小さく感じたが、食事が大へんうまかった。
 そのうちに、母が会社から帰ってきた。星電社で母にあった時は、うれしさもあったのかあまり感じなかったが、家に帰ってまた母をながめていると、これまた小さく感じ、ぼくの事を心配して下さっているせいかと思い、すまない気持ちでいっぱいになった。

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