毎日、午後の安静時間に検温があり、看護婦さんが各部屋を巡回しました。脈拍数の測定もあったのですが、8人部屋で実際に看護婦さんに直接脈拍数を測定してもらうのは、その日幸運にも選ばれた(?)一人の児童だけでした。その他7名の児童は自分で自分の手首の動脈を探し、脈拍数を数えました。私も入所最初の検温の時、手首のどのあたりを押さえれば 脈が触れるかを教わりました。
さて、看護婦さんが部屋に来られると先ず体温計が各人に配られます。我々は、体温計を腋にはさみ、その他7名は自分で脈をとります。看護婦さんの合図とともに脈の触れる数を数え始めます。30秒後ぐらいだったでしょうか、看護婦さんの2回目の合図で脈拍数の測定を終了します。その後看護婦さんは各児童の横に立ち、体温計を回収し記録版に体温を記入します。各児童は頃合いをみながら、「32,1回」などと報告します。脈拍数と排便の回数です。当時、看護婦さんは4,5名おられたのですが、私の記憶の中の検温に登場する方は、いつも秦(旧姓安田)先生です。
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