2013年8月1日木曜日

さよなら西戸田 第3報

 植杉さんからいただいた「さよなら西戸田」の資料からの第3報です。西戸田養護学校教諭、西谷嘉子先生が前回の「神戸子どもを守る会」ニュースに「西戸田・現場からの報告」と題して投稿された文章です。


 寝耳に水の閉鎖通告 
 昨年11月、突然市衛生局より市立少年保養所職員に対し、58年3月を以って閉鎖の予定であると一方的な通知があり、その旨はすぐに所長より市立西戸田養護学校にも連絡がありました。その時点では市教育委員会は、西戸田養護学校の閉校については何らふれておりませんでしたが、保養所の入所生がなくなれば実質上の閉校です。開校以来、神戸市の病虚弱児の治療と教育の中心的役割を果たしてきた両機関の廃止を傍観していることは、今日まで病気の子どもたちと共に生きてきた私どもにとっては見過ごすことのできぬ問題であり、彼らに対する裏切りとさえ思えました。今、虚弱児の治療と教育について、声を大にして発言することは私たちの義務であると考え、保護者や卒業生の方々と共に、行政当局に対し、「廃止反対、むしろ充実を」との運動を進めてきました。・・・・
 存続を求める3万市民の陳情を不採択に
 こうした中で、赤字経営、医師の確保難を理由とする廃止通告は承服しかねるものでした。以来現場の職員や父母、卒業生退所生及び民主教育をすすめる市民連合等が精力的に署名運動を展開し、12月25日には「西戸田を守る会」が発足し、ジャーナリズムも盛んにとりあげ、広汎な廃止反対運動をくりひろげてきました。・・・・
 許せない弱者きりすて
 その後、西戸田を守る会から、市長に対し、廃止撤回を求める要望書と、市議会への再度の陳情を行い、2月14日には、宮岡助役と面会 、また私ども教職員も、市教委と団体交渉を持ち、病虚弱児教育の改善について要求を積み重ねて行こうとしています。・・・・
 病気の子どもたちは、充分な治療を受け、それぞれがその病気によって発達に障害を生じている部分に光をあてられ、適切な教育を受ける権利があります。生育の途中で不幸にして病気にかかったために、健康な子どもの世界からしめ出され、充分な教育も受けられず、進学や就職の道も閉ざされ、親子共々不運を嘆くといった事態が許されてよいものでしょうか。弱い者が安心して生活できる社会こそが我々が目指さねばならない社会です。・・・・
 最後になりましたが、私どもの署名活動にたいし貴会会員の方々に、年末の忙しい中からの熱心なご協力をいただいたことを感謝しております。


 

 昭和45年に兵庫県立こども病院が、神戸市須磨区に開設され、昭和58年頃には、神戸市をはじめ兵庫県下の小児医療の中心的な役割を、充分に果たすようになっておりました。神戸市内に二つの小児病院は必要はない、と云う事だったのでしょうか。